この記事は
「フリーランスのネット環境ってどう確保すれば良い?」
「場所や業界ごとにおすすめのネット環境はある?」
「セキュリティ対策ってどうすれば良い?」
という悩みを持つ方に向けた記事です。
フリーランスとして活動する上で、インターネットに接続できる環境は必須といえるでしょう。一方で、フリーランスとして活動する上でどんなネット環境が必要かはあまり紹介されていません。
この記事は、業界ごとに求められるネット環境の違いをご紹介し、場所やサービス・機材ごとのネット環境の特徴についてご紹介します。そしておすすめのセキュリティ対策をご紹介し、読了後には自分に合ったネット環境が選べるようになります。
これからネット環境をどう構築悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
目次
フリーランスのネット環境はどう確保する?
フリーランスとして活動する場合、どうやってネット環境を構築するとよいのでしょうか。順にご紹介していきます。
業界によって必要な環境は異なる
前提として、フリーランスに必要なネット環境は業界によって異なります。例えばライターやイラストレーターとして活動している場合は、作業自体はネット環境が整っていなくても進めることができます。
一方で、Webサービスの開発や保守などの請け負っている場合にはインターネット環境の整備は必須といえます。また業務内容によってはセキュリティの確保など、ネット環境の確保と並行して対策が必要になります。業界によって必要な環境の一覧をご紹介します。
所属している業界や職種が求めるネットワークやセキュリティのレベルに応じて適切な環境を整備することが重要です。
次に、場所別のネット環境の特徴をご紹介していきましょう。
カフェや公共施設のWi-Fi
ネット環境の確保という点でイメージしやすいのがカフェやファミレスなどの飲食店や公共施設が提供しているWi-fiです。非常に安価でネット環境が整うので、飲食店、公共施設などでの作業を中心にフリーランスとして活動することを考えている人もいるでしょう。
しかし飲食店や公共施設のWi-fiは通信速度が遅いため、画面の遷移などが遅くなり生産性が低下する場合があります。また大人数が同じ回線を使用するので途中で接続が切れてしまう場合や接続の時間が指定されている場合があります。
そして、セキュリティの観点からも暗号回線を使用しているかどうかが不明で、不正アクセスやウィルスへの感染のリスクがあります。
このように、飲食店や公共施設のWi-fiは通信速度やセキュリティの観点から、メインのネット環境として活用することはあまりおすすめできません。あくまで一時的な作業環境と考えておいたほうが良いでしょう。
コワーキングスペースやシェアオフィスが提供するwi-fi
コワーキングスペースやシェアオフィス ではまず間違いなくWi-fiによるネット環境が整備されています。これらの施設で提供されているWi-fiは高速回線で、通信が暗号化されていることからセキュリティ面も安心で、接続速度も安定しています。
動画編集やデザインの仕事をしている場合には納品物のアップロード等で膨大なデータを取り扱うことがありますが、コワーキングスペースやシェアオフィスでは大容量のデータを取り扱う前提で環境が整備されています。大きなデータを扱う仕事に就いているフリーランスでもストレスなく仕事ができるでしょう。
コワーキングスペースやシェアオフィスのネット環境は業界問わず、どの分野のフリーランスにもおすすめできる環境です。
自宅兼事務所のネット環境
自宅にあるネット環境を整備して事務所として活動するのも一つの方法です。既に自宅にネット環境が整備されている人は、まず既存のネット環境で仕事を進めて、必要に応じて別の場所で作業するのも一つの方法です。
ただし、契約内容によっては回線速度やセキュリティなどが仕事をするのに向いていない場合があるので、自宅兼事務所としてフリーランスの活動をする場合には一度契約内容を見直してみても良いでしょう。
セキュリティ対策を忘れずに
どの環境で活動するにしてもセキュリティ対策は重要です。特に、個人情報や顧客の機密情報を扱っている仕事の場合、情報の流出や不正利用の場合は損害賠償が発生してしまう重大な損失を抱えることになります。扱う情報がセンシティブであればあるほど、セキュリティの確保を重視して活動環境を選びましょう。
そうでない場合でも、まずは自分のパソコンにセキュリティソフトをインストルーして不正アクセスや情報の流出を防ぐための措置を講じることをおすすめします。
また、回線に関しても暗号化などによって情報セキュリティを行うことで、大切なデータや作業環境を保護するように心がけましょう。
業界別の推奨ネット環境
ネット環境は、どんな業界で仕事をするかによっても推奨する環境が変わってきます。ここでは、業界別に推奨するネット環境をご紹介していきます。
エンジニア | デザイナー | その他のフリーランス | |
---|---|---|---|
カフェ | |||
コワーキングスペース | |||
自宅兼事務所 |
エンジニアに推奨するネット環境
アプリやシステムの開発・運用・保守を行うエンジニアに推奨するネット環境は、通信速度・安定性、セキュリティの全てを高いレベルで確保できる環境です。
開発を行う際にはGitHubやDockerなどのプラットフォームにアクセスする必要がありますので、これらのプラットフォームで快適に開発を行うためにも高速回線を使用することをおすすめします。
通信速度の目安としては、アップロード、ダウンロード共に200Mbpsを超える速さの回線を選ぶと良いでしょう。自宅兼事務所やオフィスでWi-fiを使用する場合は、ルーターも性能の良いものを選ぶことで通信速度を落とさないように注意しましょう。ルーターのアンテナは3本以上あると通信速度が低下しにくくおすすめです。
セキュリティについては、プロバイダによっては回線のセキュリティをオプションで提供しています。PCへのウィルス対策ソフトのインストールと併せて導入すると、より安心して作業できる環境を整えることができます。
クリエイターに推奨するネット環境
クリエイターの場合は動画や画像など膨大なサイズのデータをやり取りすることも珍しくありません。大容量データのアップロードやダウンロードにストレスを感じないような回線を確保することでスムーズに作業できる環境を整えましょう。
目安としてはやはり、アップロード、ダウンロード共に200Mbpsを超える速さの回線を選んでおけば速度に関してストレスを感じることは少なくなります。
クリエイターの場合もエンジニア同様にデータの破損や流出によって損害が発生するリスクがあります。作成したデータをサイバー攻撃や不正アクセスによって失わないためにもセキュリティ対策がされている回線の契約やウィルス対策、ファイヤーウォールなどを設定することをおすすめします。
その他のフリーランスに推奨するネット環境
その他のフリーランスの場合は、大容量のデータを取り扱うのでなければ、そこまで回線速度に関してハイスペックを求める必要はないでしょう。目安としてアップロード、ダウンドード共に100Mbpsもあれば十分です。はもちろん、回線速度が早ければネットのブラウジングが快適になるのでコストを投入する余裕がある場合は高速回線の使用をおすすめします。
セキュリティに関してもエンジニアなどに比べればシビアに求められませんが、個人情報などのセンシティブな情報を取り扱う業務を行なっている場合には確実にセキュリティ対策を行う必要があります。しっかりと対応しましょう。
自宅兼事務所やオフィスで構築するネット環境
フリーランスとして活動する際に自前でネット環境を構築する場合、具体的にどのような方法や機材があるのでしょうか。ここからなシーン別に利用可能なネット環境とおすすめのポイントをご紹介していきます。推奨できるネット回線と活動場所は下記の表の通りです。
固定回線 | ポケットWi-fi | テザリング | フリーランスWi-fi | |
---|---|---|---|---|
自宅兼事務所 | ||||
外出先 | ||||
自宅兼事務所 |
まずは、自宅兼事務所やオフィスでどのようなネット環境を構築できるかご紹介していきます。
固定回線
固定回線はインターネット環境を整備するうえで最もスタンダードな方法です。自宅兼事務所やオフィスにインターネット回線を通して、その回線にパソコンや端末を接続することでインターネットの使用が可能になります。
LANケーブルを使用して有線接続するのが一般的な接続方法ですが、Wi-Fiルーターを接続すれば通信機能のあるノートパソコンやデバイスもインターネットに接続することができます。
固定回線のメリットは安定的な接続と通信速度が早いことです。納品物のアップロード中やオンラインでの作業中にネットワークが切断してしまうと作業が滞ってしまいますが、固定回線の場合はまず切断の心配はありません。
また、通信速度が他の接続方法に比べて速いので、Webページの表示やアップロード作業なども短時間で完了します。画面の遷移待ちの時間やアップロード待ちの時間が短くなると作業量が多くなり生産性が向上します。
難点は、利用開始時に工事が費用が必要なことと、モバイルルーターに比べて利用料金が高いことが挙げられます。しかし安定接続と速度の点では圧倒的に有利なので、インターネットを駆使して仕事を進めていく必要がある場合には固定回線を選択するのがベストでしょう。
ポケットWi-Fi・モバイルルーター
ポケットWi-Fiやモバイルルーターは手軽に持ち運びができるので、自宅やオフィスでの使用と外出先の両方で利用することができます。これらの端末があれば自宅兼事務所やオフィスに設置する固定回線よりも取り回しが自由になる一方で、固定回線に比べると通信速度が遅くバッテリー切れなどによる接続切れのリスクがあります。
ただし、固定回線と違い利用開始時に工事の必要がなく、契約すればすぐに使える点も大きなメリットです。また費用も固定回線に比べると安く、引っ越しなどで移動する場合に解約手続きが不要などのメリットもあります。
通常の作業をオフラインで行い、連絡や納品のみオンラインで行う場合はポケットWi-fiで十分です。ネットを使用する頻度が高くないのであればポケットWi-fiの利用でも良いでしょう。
外出先でのインターネット環境構築
続いて、外出先ではどのようなインターネットの環境構築方法があるのかをご紹介していきましょう。
スマートフォンのテザリング
外出先でネット環境を確保する上で有効な方法の一つがスマートフォンのテザリングです。テザリング機能を使えばスマートフォンがモバイルルーターの代りにネット環境を提供します。スマホさえあればネット環境が構築できるので、荷物が増えないのがテザリングのメリットです。
テザリングはスマホを契約している会社への申し込みだけで利用できるので、自前でネット環境構築にかかる費用が最も少ないのが特徴です。携帯会社によりますが、月あたり無料〜数百円でテザリング機能を利用することができます。
デメリットとしては通信速度が遅い、電話がかかってくると接続が切れる、スマホのバッテリー消費が激しい、スマホの通信制限に引っかかりやすくなる。という4点があります。
通信速度に関しては、PCからのアクセスを前提にしているサイトの閲覧や大容量のデータのアップロードにあたり時間が掛かる場合があります。
また、大容量のデータ通信を繰り返すとスマホの通信制限によって通信速度を下げられてしまう場合があります。するとテザリングをしていない時もアクセスの遅さにストレスを感じてしまう可能性があります。
ポケットWi-fi・モバイルルーター
ポケットWi-fiやモバイルルーター は外出先でネット環境を整備するための代表的な方法の一つです。もともと外出先でネット環境を構築するための機材なので、1回の充電で数時間〜約半日はネット環境を提供することが可能です。
最近のポケットWi-fiは通信速度が早くなり、100Mbps程度の通信速度を確保できることから自宅やオフィスでポケットWi-fiを使用するケースも増えています。
ポケットWi-fiのメリットは外出先で使用する場合にはバッテリー残量やデータ通信量を比較的気にせずに利用できるので、外出時に利用するインターネット環境の構築するのに適している点です。
デメリットは契約に関する費用ですが、最近はスマホとセットのプランや固定回線とのセットのプランもあるので、自分のスタイルに合わせて格安で手に入れることも可能です。
フリーランスWi-fi
最近は、フリーランス向けに特化した「フリーランスWi-fi」というサービスが提供されています。フリーランスWi-fiは初期費用が安く、端末料金や途中解約料金が発生しないポケットWi-fiのレンタルサービスです。
フリーランスWi-fiは一般のポケットWi-fiのプランに比べてデータ容量が大きく、通信速度制限が発生しない点がメリットです。通信速度は70〜100Mbpsと比較的高速です。
またオプションによってはWi-fi非対応機器のインターネット接続も可能になります。
デメリットは月額費用は一般のポケットWi-fiに比べて高い点なので、とにかく安さを追求してネット環境を構築したい場合には向いていないといえるでしょう。
フリーランスとしての独立直後にネット回線を構築するのであれば、このようなサービスを利用し、仕事環境の構築に合わせてベストな環境に作り直していく方法もあります。
おすすめのセキュリティ対策
フリーランスがネット環境を構築する場合にセキュリティ対策が重要であるという点はご説明してきましたが、具体的にどのような対策があるのでしょうか。
ここでは主に2つのセキュリティ対策についてご紹介していきたいと思います。
固定IP
固定IPは、正式には「固定IPアドレス」といい、インターネットに接続する際のユーザーの住所のようなものです。
通常、私たちが使用する端末をインターネットに接続する場合にはネットワーク上の空いているIPアドレスにその都度接続してデータの送受信を行います。このようなIP接続のたびに変わるIPアドレスのことを「動的IPアドレス」と呼ばれています。
一方で「固定IP」は自分の端末専用のIPアドレスを所有することで、アクセス許可しているIPアドレス以外からのネットワーク接続を遮断できるというメリットがあります。
このアクセス制限がセキュリティ対策として効果的なので、特に出先で仕事をすることが多い方にはおすすめの方法です。
固定IPは自分のサーバを持つことができたり、自宅やオフィスにあるパソコンの遠隔操作ができるなど、セキュリティ対策以外にもメリットがあるので、自宅やオフィスからPCが持ち出せない場合などにも活用できる方法です。
VPN
VPNは「仮想専用線」の略でカフェなどの飲食店や公共のWi-fiを使用する場合のセキュリティとして効果的な方法です。公共のWi-fiを使用して通信を行うとデバイスからアクセスポイントまでの通信内容が第三者に見られる可能性があります。そこでVPNによって暗号化された専用線を使って通信することで、不正アクセスを防ぎます。
VPNは不正アクセスや覗き見防止以外にも、IPアドレスを見られる心配がなくなるので、固定IPを使用している場合にはVPNでIPアドレスを保護することをおすすめします。
またPCやモバイル端末を使って遠隔地のデバイスを操作することも可能ですので、外出先から自宅やオフィスのPCを操作することも可能になります。
フリーランスにおすすめのインターネットサービス
この章ではフリーランスとして活動するのにおすすめのインターネットサービスをご紹介していきます。これからネット環境を構築する場合には参考にしてみてください。
固定回線のおすすめサービス
固定回線であれば…持ち運び難しいですが、工事不要で簡単に自宅にWIFIを導入するならこちらがおすすめですね。簡単です。
Wifiのおすすめサービス
Wifiであれば…おすすめの固定IP・VPNサービス
おすすすめのVPNサービスは…お手軽に、低価格ですぐに固定IP接続を導入できるVPNでお勧めです。
まとめ
これからフリーランスとして活動を考えている場合には既存のネット環境を使用するのか、新たにネット環境を構築するのかは人によって様々です。
ご紹介した通り、フリーランスにおすすめのネット環境はワークスタイルにより異なります。今回ご紹介したサービスも含めて、自身の働き方や求められるセキュリティレベルに応じてネット環境を構築していくのが良いでしょう。